Research Center for Functions of Fermented Food

発酵醸造食品機能性研究センター

ホーム 研究 発酵醸造食品機能性研究センター > News > 雄の鮒から新名物へ!「フナズシクッキー」を産学連携で共同開発 ― 滋賀国スポ・障スポ2025で試食提供へ ―【発酵醸造食品機能性研究センター/農学部】

雄の鮒から新名物へ!「フナズシクッキー」を産学連携で共同開発 ― 滋賀国スポ・障スポ2025で試食提供へ ―【発酵醸造食品機能性研究センター/農学部】

2025.10.02

鮒寿司がクッキーに!? 低・未利用魚の価値を高める新しい挑戦


滋賀県の伝統食「鮒寿司」をクッキーにアレンジ――。

発酵醸造食品機能性研究センターの研究者らと鮒寿司メーカー「奥村佃煮」、そして農学部食品栄養学科の学生が協働し、新しい商品開発に挑戦しています。その試作品として開発したものは「フナズシクッキー」。これまで利用が限られてきた雄のニゴロブナを使った、滋賀ならではの新しい一品です。

研究で使用した雄のニゴロブナ
フナズシクッキーの試作品

プロジェクトは2025年6月に始動。背景には「低・未利用魚をおいしく食べられる商品に加工することで新しい需要をつくり、琵琶湖の水産業を元気にしたい」という思いがありました。鮒寿司といえば卵を抱えた雌が有名ですが、雄は滋味深い味わいがあるにもかかわらず、これまで注目されることが少なかったのです。

今回の試作品づくりでは、田邊公一教授と柿崎博美博士研究員の指導のもと、農学部食品栄養学科の宿谷紗良さん(田邊ゼミ4年生)が特別研究の一環としてレシピを検討。出身校の相可高校食物調理科および本学食品栄養学科での実習経験をいかし、「おいしくて、若い人でも手に取りやすい形」をめざしてクッキーに仕上げました。

この「フナズシクッキー」は、2025年10月に滋賀県彦根市で行われる「第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ)」の各閉会式会場内「おもてなSHIGAエリア」にブース出店(※)。来場者への試食提供やアンケートを通じて意見を集め、今後の改良につなげていきます。最終的には市販・流通を目標とし、土産やギフトとして展開されることも期待されています。

大学のみならず地域の企業や行政と協働しながら、「琵琶湖システム」という世界農業遺産の価値を次世代に受け継いでいく挑戦。その一歩となる「フナズシクッキー」に、ぜひご注目ください。

(※)ブース出店日時や開発メンバーのコメントなどの詳細は、プレスリリース(2025年10月2日配信)を参照してください。