滋賀障スポ2025総合閉会式会場にて、独自開発の「鮒寿司クッキーサンド」を試食提供【発酵醸造食品機能性研究センター/農学部】
2025.11.14
低・未利用魚(※1)を活かし、滋賀の食文化を未来へ。産官学が協働した挑戦
発酵醸造食品機能性研究センターと農学部食品栄養学科の学生、そして鮒寿司メーカー・奥村佃煮が連携し開発した「鮒寿司クッキーサンド」が、2025年10月27日(月)に開催された「第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025)」の滋賀障スポ2025総合閉会式の会場内「おもてなSHIGAエリア」にて、来場者へ試食提供されました。

今回の試食提供は、10月8日(水)に開催された滋賀国スポ2025総合閉会式にあわせて行ったブース出店につづき、2回目となりました。
【→関連News】滋賀国スポ2025総合閉会式会場にて、独自開発の「鮒寿司クッキーサンド」を試食提供
滋賀県彦根市の「平和堂HATOスタジアム」で行われた障スポの閉会式には、高円宮妃久子さまが臨席され、47都道府県と20政令指定市の67選手団の約5,600人が参加。来年の開催地である青森県へ大会旗が引き継がれました。


今回の会場内で試食・提供した「鮒寿司クッキーサンド」開発プロジェクトは、琵琶湖の固有種であるニゴロブナの雄など、これまで利用が限られてきた低・未利用魚を活用し、滋賀の伝統的発酵食・鮒寿司を現代の食卓に親しみやすい形で届けることを目的とした取り組みです。
本学農学部食品栄養学科の学生が中心となってアイデアを出し、試作と改良を重ねたクッキーサンドは、伝統と新しさを融合させたユニークな一品として来場者の注目を集めました。


本開発プロジェクトは、滋賀県の世界農業遺産「琵琶湖システム」を未来へとつなぐ取り組みの一環として進められています。
今後は滋賀国スポ・障スポ2025の2回のブース出店を通じて行ったアンケート結果を分析し、改良を重ねながら製品化を目指す予定です。
大学・企業・行政・地域が連携し、滋賀ならではの発酵文化を次世代へ伝える挑戦が続きます。

→プロジェクト背景などの詳細は《プレスリリース(2025年10月2日配信)》を参照してください。
補注:
(※1)当センターの広報物でいう「低・未利用魚」とは、全国的な漁業生産量、養殖生産量からみて利用の度合いが低い魚種を指す。古来、フナは内水面漁業の主要な漁獲魚種であるものの、平成5年(1993年)以降、漁業生産量は減少傾向にある。
また、日本に生息が確認されているフナとしては、「ギンブナ」「キンブナ」「ナガブナ」など複数種が確認されている。滋賀県の琵琶湖固有種である「ニゴロブナ」は鮒寿司にも使われなど、古くから喫食文化が根付いているが、メスに対してオスの利用は限定的とされる。
内水面漁業・養殖業をめぐる現在の状況については、水産庁の発表資料(令和7年10月)を参照のこと。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/attach/pdf/naisuimeninfo-45.pdf