フナズシを科学する—滋賀県の伝統発酵食の研究成果を「日本醸造協会誌」に寄稿【発酵醸造食品機能性研究センター】
2026.02.12
滋賀県内27箇所の市販鮒寿司の乳酸菌叢を解析。研究成果を、100年超の歴史ある醸造専門誌へ。
2026年1月、龍谷大学 発酵醸造食品機能性研究センターの研究メンバーらが、日本の醸造研究を100年以上にわたりリードしてきた公益財団法人 日本醸造協会が発行する日本醸造協会誌に、滋賀県の伝統的な発酵食品・鮒寿司に関する研究成果を寄稿しました(『日本醸造協会誌 第121巻1号』)(※1)。
今回寄稿した論文は、滋賀県内27か所で市販されている鮒寿司を対象に、発酵に関わる乳酸菌や成分を科学的に調べた研究成果をまとめたものです。今回の論文は新たな実験を加えたものではなく、すでにオープンアクセスジャーナル『食品・臨床栄養』(2024年 e2024巻)で公表していた成果と同一の研究内容を、『日本醸造協会誌』に向けて整理・発表したものです。
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今回掲載された『日本醸造協会誌』は、清酒や味噌、醤油など、日本の発酵文化を支えてきた醸造協会の発行する専門誌です。そこに研究成果が紹介されたことは、鮒寿司研究が日本の発酵・醸造研究の中でも新たな知見として認められたことを意味します。
フナズシは「伝統食」「クセのある食べ物」として語られがちですが、本研究は、その背景にある発酵の仕組みを科学的に解き明かすものです。今後も当センターでは、鮒寿司など地域に根付いた発酵食文化を、分析によって可視化することで発酵特性を理解し、将来の発酵食品開発にもつながるような発見へと繋がるような研究を進めていきます。

【補注】
(※1)寄稿内容:
・「日本醸造協会誌 第121巻1号」(編集・発行:公益財団法人 日本醸造協会)
・論文タイトル:「市販鮒寿司の調査・分析・乳酸菌叢解析結果からわかったこと」
・著者:田邊公一・塩田 隆・吉山洋子・後藤美帆・加藤早也花・佐藤 咲・塩入ヶ谷郁・島 純・橋本道範
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※冊子発行から1年以上を経過したものからJ-STAGEでの電子版公開を予定。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jbrewsocjapan